2026/09/09 09:06
北海道・十勝、清水町。日高山脈の麓に広がる十勝千年の森に「キサラファーム」はあります。
広い草原で育てられているのは約70頭の山羊たち。

キサラファームを率いる斉藤真さんは群馬県出身。一度は大学へ進学したものの、「動物に関わる仕事がしたい」という思いから帯広畜産大学へ入り直し、2001年からこの場所で山羊の飼育に携わってきました。
チーズ作りの大きな転機となったのが「放牧」です。
餌が不足したことをきっかけに山羊を草地へ放したところ、翌日のミルクの味が変わり、山羊の状態にも良い変化が。それをきっかけに、自然に近い環境で山羊を育てる現在のスタイルへつながっていきました。
斉藤さんが挑戦してきたことのひとつが、「山羊のチーズはクセがある」というイメージを変えること。
そのために大切にしているのは、チーズ作りだけではありません。畜舎を清潔に保ち、搾乳のタイミングにまで神経を注ぐ。

おいしいチーズは、まず良いミルクから。
そして味だけでなく、形や色まで「美しいチーズ」を目指しています。
キサラファームは、私自身が以前、約1年半働いた場所でもあります。
山羊を追い、餌を与え、搾乳し、そのミルクからチーズを作る。動物を扱うからこその大変さも経験しました。
私にとって「チーズ作りは工房の中から始まるのではない」と実感させてくれた、大切な場所です。

